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お知らせ・事務所通信

「社長!必ずもうかる話があるんですよ!」(MT No.2)

Management Times No.2

え、なに?金への投資?金への投資なんて興味ないんだよ。
「いきなりではなんでしょうから、まずは来週の金相場を予想しますね。・・・下げ基調ですね。」

またでたらめを。しかし、なんかいつものやつと感じが違うな。不況のときは株でなく金がいい、とか言わないのか?下げ基調?本当かな?
「では一週間後にまたお電話しますね。」

(一週間後)
ふーん。この一週間、ほんとに下げ基調だったよ。ま、しかし、一回ならまぐれもあるしな。
「まだ信じて頂けませんか?では、来週も当てましょう。ズバリ、上げ基調です」

(さらに一週間後)
ん?また当たったぞ。二回連続となると…まさか本当に相場がわかる?
「どうですか?まだ信じられない?では最後の予想を。来週も上げ基調でいきます」

(そしてもう一週間後)
信じられん!またまた当たった!どうやら本当に相場がわかるらしい!
「さて、これでわかって頂けたと思います。うちがやっているのは、金を使った仕手戦なんですよ。外れることは絶対にありません。1口500万円を何倍もにするチャンスです。今しかありません。」
よし!ここで乗っとかないと!指定の口座に振り込めばいいんだな。1口…いや2口いっとこうか?

・・・この後は、もうおわかり頂けると思います。詐欺と気づいたときには、もう手遅れです。
私は、最初にこの手口を知ったとき、自分も引っかかってしまうかも、と思いました。この手口を知らないときに、実際に相場を3回も当てられたら、ちょっと気持ちが動きそうです。

彼らは「プロ」です。彼らに言わせると、「自分はだまされない」と思っている人ほどだまし易いそうです。そして、経営者は、自分に自信がある人が多いため、比較的狙われやすいそうです。

我々の防衛手段は、「プロにかかれば簡単にだまされる可能性がある」ことを肝に銘じて、「詐欺の新たな手口を知っておく」ことではないでしょうか。お互いにうまい話には用心いたしましょう!

参考文献:坂口孝則著『営業と詐欺のあいだ』幻冬舎新書

常盤のひとりごと

さて、上のお話で相場を言い当てたカラクリはおわかりになりましたでしょうか?
まず、相場には上げ基調と下げ基調の2通りしかありません。そこで、詐欺師はたくさんの人に電話し、半分には上げ基調、残りの半分には下げ基調と言います。どちらかの予想が当たりますので、そこで信じてもらえたらOK。信じてもらえなかったら、それを繰り返します。

このやり方でいくと、最初8人に電話すれば、そのうちの1人には必ず3回当ててみせられるのです。大きく網をかけて、そこから絞っていく。この辺は、ある意味、マーケティングと同じですね。

なお、似たようなもので、日経平均株価の上下や、競馬を立て続けに当てる、などもあるそうです。

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