がん、病院、決算書(通信No.8)
常盤事務所通信 No.8
「今は大事なときだしね。こんなときに、病院なんて行っている暇はないよ。」
私の先輩のおじさんは、苦労して弁護士になりました。
ようやく事務所が軌道にのってきた頃、以前より疲れやすくなっていることを感じたそうです。
先輩が病院に行くように勧めたときの返事がこれでした。
そして数年後。事務所は安定してきましたが、いよいよ体調が優れません。
ようやく病院に行ったところ、がんの宣告。そのまま入院し、半年後に亡くなられてしまいました。
おじさんは、なぜ、病院に行かなかったのでしょうか?
本当に忙しくて、病院に行く時間もなかったのでしょうか?病院なんて、半日もあれば行けるのに?
そう、実際は、病院に行くのが恐かったのです。
だから、忙しいということを理由にして、病院に行かない自分を正当化したかったのです。
つまり、自分が大きな病気だという現実を見たくなかったのです。
そして、もうお気づき頂いていると思いますが、経営と数字も全く同じです。
数字は、現実を見るための強力な道具です。自分の経営の現実を見つめるための道具。
それが数字であり、決算書なのです。
経営をするのに数字は必要。当たり前じゃん。何いってんだよ。そんな風に思われた方は、今号はあまり役に立たなかったと思います。当たり前のことを、つらつらと申し上げてしまって、すみませんでした。
一方で、いやいや、経営っていうのはね、そんな数字だけで計れるもんじゃあないんだよ。
前回(3/12発信のNo.7)、そう思われた方は、ぜひもう一度、よく考えて見て欲しいのです。
ひょっとしたら、現実を見たくないだけではありませんか?
病院に行くのを先延ばしにしているだけではありませんか?
・・・私の仕事は、数字という道具を駆使して、社長さまに現実を見てもらうこととも言えます。
生意気な問題提起をしましたが、うまく経営をして頂きたい!と思うがゆえです。
どうかご容赦くださいませ。
常盤のひとりごと
3月決算の会社が多いので、5月が一番の繁忙期になります。
だいたい4月中に会社の方が経理を締めて、それから税理士や会計士の出番となるからです。
私の感覚としても、ゴールデンウィークはなくて当たり前でした。
で、ゴールデンウィークだから、普段着でよいことが多く、出勤する場所としてはほとんど天神やその近辺になります。そう、「どんたく」に来た人と、見分けがつかないのです。
だから、私たちのような会計関連の仕事をしている人間は、どんたくの公表人出数の中に、きっと含まれているはず。
・・・もし3月決算の会社が少なくなったら、どんたくの公表人出数はちょっと減るかな?