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節税を考える~基本的な形(通信No.1)

常盤事務所通信 No.1

第一回目は、節税の基本からお伝えしたいと思います。
個人事業で1,000万円を稼いでいる経営者がいるとしましょう。専業主婦の奥さんと子供二人という設定で、税金を考えてみます。
単純に経営者ひとりが1,000万円を全て自分の所得にすると、税金は、所得税・住民税・個人事業税の合計でおよそ202万円です。

ここから節税を考えていくわけですが、よく行われていることは、奥さんに給与を支払うことでしょう。いわゆる、青色事業専従者給与というものです。
この給与を200万円ほど支払ったとすると、税金は、本人と奥さんの合計で159万円くらいになります。どうでしょう。ざっと40万円ほど税金が減りました。

要するに、ただ単に所得を何人かに分けるだけで、税金が安くなるのです。これが「所得の分散」であり、節税の基本形になります。所得を分散することで税金が安くなる原因は、大きく以下の2つです。

1)税率が変わる。
2)奥さんの給与は、自動的に少し減額される。

1)の「税率が変わる」という点ですが、所得が上がるほど税率が高くなるということをご存知の方は多いと思います。現在の所得税は、5%から所得1,800万円オーバーのときの40%までの6段階になっています。
上記の例で言いますと、1,000万円全部を本人ひとりの所得にしてしまうと税率が20%になりますが、奥さんに分散すれば、分散した200万円は5%の税率ですんでしまいます。

さらに、このケースの場合は、個人事業であるため、経営者本人の所得には個人事業税がかかります。ところが、奥さんに200万円を分散すると、この200万円にかかっていた個人事業税10万円がかからずにすむというわけです。

次に、2)の「自動的に少し減額される」という点ですが、これは「給与所得控除」というものが存在するからです。
「給与所得控除」とは、サラリーマンの必要経費とでもいうべきものであり、給与の額から計算され、控除されます。
先ほどの例で言うと、奥さんの200万円の給与収入に対して、78万円も控除できます。これだけで4万円ほど違ってくるのです。

この給与所得控除は、効果が大きいので、経営者本人も使いたいところです。
そのためには、会社を作ればいいということになります。そうすれば、経営者本人も、奥さんも給与所得者となり、ダブルで給与所得控除が使えるから税金がもっと安くなる・・・
・・・のは確かなのですが、ここで一点、とても大事なのに見落とされがちなことがあります。

それは、いま巷を騒がせている、「社会保険料」のことです。これを見落として、安易に会社を作ると節税どころか逆に余分に持っていかれてしまうことになりますのでご用心を!

(詳細は、No.2でお伝えします)

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