経費削減の王道2(通信No.19)
常盤事務所通信 No. 19
前号では、経費削減の第一歩として、請求書や領収書のチェックをお話しました。
そしてこの後の作業を行うために、理解しておくべき重要な点があります。
それは、この請求書や領収書が、経理上の数字(月次の試算表)とつながっていることです。
そして、そのつながっている様子を、イメージできるくらい理解しておくことです。
「つながっている様子」とは、「試算表をつくる過程」ともいえます。
請求書や領収書から試算表ができあがるその過程を、具体的に理解することです。
・・・こう書くと、「え、じゃあもういいや。めんどくさい!」と言う方もいらっしゃるかも。
でもご安心を。簿記うんぬんといった話ではありませんから。
しかし、経費削減のためには、試算表もいっしょに使うほうが早道なのです。
たとえて言うなら、試算表を見るのは、「森を見る」作業。
請求書や領収書を見るのは、「木を見る」作業です。
どちらか一方ではなく、両方とも必要なのは、ご理解頂けると思います。
では、まずは試算表を見てみてください。
試算表には、科目とその数字があります。これは見ればわかります。
科目というのは、現金・預金・売掛金・買掛金・借入金・資本金・売上・仕入・給与などです。
それぞれの科目の数字は、個別の取引がたくさん集まってできあがっています。
この科目ごとの個別の取引をさらに詳しく示しているのが、「元帳」です。
「元帳」も、決してむずかしく考えないでください。
例えば、仕入の元帳には、「何月何日に、誰から、何を、いくらで仕入れた」が記録されています。
各科目ごとのそういった記録を「元帳」と言うようにきまっている、というだけのことです。
つまり、「試算表」→「それぞれの科目の元帳」→「個別の取引」とさかのぼれるのです。
そして、この「個別の取引」が、これまで整理してきた請求書や領収書とつながっているのです。
(つづく)
常盤のひとりごと
不況になると、会計の重要性が増す。まさに、「守り」が大事になるからだ。
また、売上が減るかわりに、目先の業務にはちょっと余裕ができるのも不況期ならではである。
もちろん、減った売上(正確には、利益)を取り戻すための行動は不可欠。
そして、それに加えて、内部体制の見直しするのにはちょうどよい時期である。