経費の削減は・・・(通信No.17)
まずは、いちばん申し上げたいことを。
経費の削減は、しないほうがよいです。
なぜか?
一番目の理由は、効果がほとんどない。むしろ二番目の理由により逆効果、だからです。
二番目の理由は、ビジネス全体が後ろ向きになってしまうからです。
三番目の理由は、経費削減はラクだからです。
効果がないというのは、こういう前提からです。
つまり、我われ中小企業は、日頃から経費についてはとても敏感。
ムダな経費は使っていないので、乾ききったぞうきんを絞るようなもの、というわけです。
費用対効果にうるさい我々が、考え抜いて使っているいまの経費には、それなりの意味があるはず。
これを下手に削ると、縮小の悪循環にハマってしまう危険性が高いのです。
特に、銀行や会計事務所が「経費削減しましょう!」と言ってきたときは、注意が必要です。
彼らの多くは、ただ支出を抑えることだけにしか目が届いていません。
特に広告宣伝費やマーケティング費用、さらに旅費交通費などは、よくよく考えないといけません。
それは、これらが、お客さまを作っていくための経費だからです。
ここを安易に減らしたばっかりに、費用削減→売上はそれ以上に減少→さらに費用削減という
悪循環に陥り、倒産に至ったケースは少なくないのです。
結論として、経費については、(株)武蔵野の小山社長のこの一言につきると思います。
「100万円の赤字をなくすには、もう100万円の経費をかけて、200万円の売上をあげる」
我々の最終目的は、利益をあげることであり、経費を減らすことではないですよね。
・・・ただ、そうは言っても、どうしても経費削減しかない状況もあるかも知れません。
また、正直、これまではあまり経費の効果とか考えていなかった方もいらっしゃるでしょう。
そこで、次号より、経費削減を行っていく具体的なコツをお届けしたいと思います。ご期待下さい。
常盤のひとりごと
経費削減はラクである。それは、基本的には自社内部でやってしまえるから。さらに、目先の効果は確実。
この二点があるから、銀行は経費削減させるのが大好き。というより、経費削減しか信用しない。まあ、それはしょうがないと思う。彼らもビジネスなのだから。
だが、経営者としては、そのラクさに流されてはいけないと思う。
実際に一番怖いのは、ラクなほうに流れようとするその気持ちの甘さなのだ。次号から本質的で効果的なやり方をご紹介していくが、決してラクではない。そこはご理解頂きたいと思っている。