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会社のなかのお金の流れ(通信No.13)

常盤事務所通信 No.13

決算書でわからないのは当然ですが・・・ 

さて、前々回までで、外部からの借入の面でお話をしてきました。
今回から、会社の中でのお金の流れについてお話したいと思います。

よく、「資金繰りがわからない」という方がいらっしゃいます。
現行の決算書では、資金繰りがわからなくなるのは当然で、いくつかの理由があります。

ただ、理由のひとつひとつは、そんなに難しくありません。
しかし、それが複合しておこることで、一気にわかりにくくなるのです。

まずは、一つ目の理由を見てみましょう。
それは、「お金の動きが、完全に裏に隠れてしまっている」ということです。

会社の取引では、売上や仕入、経費が発生します。
これらは最終的にはお金で精算されますが、すぐに精算されるわけではありません。

売上は今月末締めの翌々末入金。仕入は手形で、2ヶ月後から3回に分けて。
経費はクレジットカードで、当月16日から翌月15日までの分が、翌々10日に引き落とし・・・。
もうこのあたりで、かなりイヤになってきますよね。

残念ながら、現行の決算書では、この動きは全く読めません。
もちろん、お金の動きの原因は、将来のものも含めて全て決算書上にあります。

売掛金はお金が入ってくる原因。買掛金や未払金はお金が出ていく原因です。
ところが、お金が動くタイミングがわからないのです。

例えば、現金が100円、売掛金が900円、買掛金が200円となっているとしましょう。
この状態で、流動比率と呼ばれる財務分析の手法で評価してみます。
流動比率は500%となり、通常は200%なら理想的と言われますので、超優良数値です。

しかし、翌日に買掛金の支払期日がきてしまうと、即、資金ショートしてしまいます。
動きの情報のない決算書でお金の流れを見ていくのは、もともと無理なのです(続く)。

 

常盤のひとりごと 

10月になり、朝倉商工会議所での経営計画セミナーが始まった。
経営計画の大事さは、いまさら言うまでもない(もちろん、よくある数字遊びの計画書ではなく、本物を作らないといけないという条件はつくが)。私にアドバイスをもらい、一度でも作ってみた人は、本物の威力に驚く。いままでよくこれなしで経営してたなぁと思うことになる。
今回も、業績をあまり落としていない社長ほど、取り組みかたがより真剣だと感じる。こうして、良い会社はますます良くなり、悪い会社はジリ貧になる。常に先手をとって、良循環の中にいたいものである。

だが、その「一度でも作ってみる」ということが、最大の壁だ。私からすると、大変気の毒に思えるのだが、しょうがない。わからない人には、何を言ってもわからないというのは、常に真実なのだから・・・。

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